これまでの製造業ではモデルデータを作ったのちに、それとあわせて2次元図面を関係者と共有するやり方が主流でした。しかしその方法だと図面量が膨大になりやすく、また設計変更があった際に作った図面全てに修正を加える必要があり、膨大な工数がかかっていました。そこで従来のやり方に代わって3次元CADでつくったモデルデータにそのまま製造情報を書き込む「3次元図面」が注目されつつあります。
3次元図面は直感的に形状を把握できるだけでなく、2次元図面を用意する工数を減らすことができるため、製造工程を前倒しできるというメリットがあります。
また、手戻りがあった際に、元のモデルを直せばすべて同期して修正ができるため、管理の面から考えても2次元図面より3次元図面のほうが優れています。
2013年、アメリカでは取引先のサプライチェーンにむけて今後は3次元図面データを納品するよう通知が出されました。それをきっかけに、アメリカの製造業界ではMBD(製造情報を3次元モデルに直接加えて展開するという概念)への対応が急務となりました。
日本でも今後は3次元データの納品が求められることが予想されます。少なくとも3次元図面を読むことができるツールだけは早めに用意しておきたいものです。
3次元図面が読める無償のツール「eDrawings Viewer」をダウンロード
もちろんすべての2次元図面をいますぐ3次元図面に移行させるのは難しいですが、以下のような成果物を求められる場面では今後積極的に取り入れていくことをお勧めします。
特に初期の検討資料は修正作業も多数発生するので、机上でどんどんレビューをして更新していくのが望ましいです。それには更新に強い3次元図面が最適です。また、デザインレビューでは紙媒体では掴みきれない立体形状などを把握するのに3次元図面は特に有効です。
1,2は無償のツールeDrawings Viewerで十分確認が可能です。3〜5の用途で使う際には製造情報が必要になるので、それにはSOLIDWORKS MBDが適しています。
ソリッドワークス社主催で開催した3次元図面に関するセミナーの動画をこちらでご覧いただくことができます。いずれも無料で視聴できますので、ぜひご覧ください。